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インプラントと骨粗鬆症

大分インプラント情報

インプラントと骨粗鬆症の関係

インプラントは、顎の骨にインプラント体を埋込する外科手術を伴います。そのため、誰もが治療を受けることができるというわけではありません。体の健康状態や全身疾患を患っている方は、場合によってはインプラント治療が受けられません。骨が脆く、折れやすくなる「骨粗鬆症」もその一つです。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症とは、長年の生活習慣などによって骨の量が減ってしまい、骨が脆くなり、転倒などによって骨折しやすくなっている状態、もしくは骨折してしまった状態のことをいいます。私たちの骨は20代をピークとし、それ以降は少しずつ減っていくため、ある程度の骨の量の減少は生理的現象ともいえます。骨は他の器官と同様に、常に活発な新陳代謝をおこなっており、古い骨を溶かして壊す「骨吸収」と、カルシウムを使って新しい骨を作る「骨形成」によって、丈夫でしなやかな骨を保っているのです。これを「骨代謝」といいます。しかし、骨のもとになるカルシウムが不足したり、老化によって体が骨を作るためのホルモンが不足してくると、骨を作る量よりも骨を壊す量のほうが多くなってしまい、骨代謝のバランスが崩れてしまいます。これによって、骨の量が徐々に減ってしまい、骨質がスカスカになるため、骨粗鬆症になってしまうのです。

骨粗鬆症の要因

骨粗鬆症は女性に多く見られる病気で、患者さんの8割を占めています。これは女性の方が骨量の減少の要因が多いためです。その大きな要因として、閉経後のホルモン分泌の減少が挙げられます。女性ホルモンの「エストロゲン」には、骨代謝のバランスを保つ働きがあるのですが、閉経後はこの分泌が急激に減少してしまうため、骨代謝のバランスが崩れてしまい、骨が脆くなってしまうのです。また、妊娠や出産によりカルシウムを大量に消費してしまうことも、骨が脆くなりやすい要因の一つです。

どんな人でも、骨の量は年を重ねるごとに徐々に減っていきます。しかし、遺伝により骨が減りやすい体質の方や、食事や喫煙、運動不足などの生活習慣が骨粗鬆症のリスクファクター(危険因子)となる場合もあるのです。さらに、糖尿病や甲状腺機能亢進症、高カルシウム尿症、ステロイド剤投与、原発性副甲状腺機能亢進症、腎不全、胃の切除などの疾患も、骨粗鬆症のリスクファクターとなることがあります。

転倒による骨折によって、寝たきりの原因になってしまうことから、生活の質(QOL)を著しく低下させてしまう骨粗鬆症は高齢社会が抱える問題の一つとなっています。

インプラントと骨粗鬆症の関係

骨粗鬆症の治療には、骨を強くする「ビスフォスフォネート製剤」が使用されることが多いのですが、この薬がインプラント治療にとって危険な「顎骨壊死」を招いてしまうことがあるのです。

ビスフォスフォネート製剤は骨の代謝を抑えることで、骨からカルシウムが出ていくことを防いでいます。しかし、骨や歯茎などの軟組織を作る機能も抑制されてしまいます。この状態でインプラント治療をおこなってしまうと、傷口から細菌が感染することによって、傷が治りにくくなってしまい、最悪の場合は顎の骨が壊死してしまう顎骨壊死の危険性があるのです。そのため、ビスフォスフォネート製剤を服用中の方は、インプラント治療などの外科手術が必要となる治療は、基本的に受けることができません。しかし場合によっては治療がおこなえる場合があります。

インプラント治療をおこなうために大切なこと

ビスフォスフォネート製剤による顎骨壊死は、一旦起きてしまうと簡単に治すことができない病気のため、リスクを減らすための治療指標があるのですが、2016年に変更されました。それまで、ビスフォスフォネート製剤の服用が3年未満の場合は、休薬せずに治療をおこない、服用が3年未満でもリスクのある方や、服用が3年以上の方は3ヶ月の休薬により、治療がおこなえるとされていました。(2012年の治療指標)しかし、2016年の治療指標では、ビスフォスフォネート製剤を休薬しても顎骨壊死のリスクを減らせるかどうかは分からず、むしろ休薬することによって、骨折のリスクの増加させてしまうほうが危険であるため、顎骨壊死を防ぐには口腔内を清潔に保ち、細菌などの感染を防ぐことが効果的であると、治療指標が変わっています。さらに、4年以上ビスフォスフォネート製剤を服用している方や、顎骨壊死のリスクが高いと思われる方は、外科治療前2か月程度の休薬が可能であれば休薬すると安心であり、外科手術処置の2週間後を目安に服用を再開することが望ましいとされています。

そのため、口腔内を常に清潔に保ちながら、大分県の歯科医師にビスフォスフォネート製剤を服用中であることを必ず伝え、歯科医師とかかりつけの主治医との相談によって、インプラント治療をおこなうかどうか、また、ビスフォスフォネート製剤を休薬するかどうかを判断することが重要なのです。

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