現在は、チタン製のインプラントが主流となって使用されていますが、チタンと骨が結合すること(オッセオインテグレーション)を発見したペル・イングヴァール・ブローネマルク博士によって、初めてチタン製のインプラントが臨床応用されたインプラントは、その患者さんが亡くなるまでの40年以上の間、問題なく機能し続けました。この結果からも、インプラントは長期的に使用することができる治療方法といえます。さらに、現在でもインプラントは進化しており、治療設備や治療技術も日々向上しています。適切なメンテナンスをおこない、口腔内を清潔に保つことで、インプラントは半永久的に使用することが可能なのです。第二の永久歯とも呼ばれているインプラントの寿命を伸ばすためのポイントをご説明いたします。
インプラントの寿命を伸ばすために
口腔内を清潔に保ちましょう
インプラント自体は虫歯になりませんが、歯周病にはなってしまいます。歯周病菌によって、インプラントを支える歯槽骨が溶けてしまうことで痩せてしまったり、他の健康な歯が歯周病になってしまうことで、噛合せが悪くなり、結果的にインプラントの寿命を短くしてしまいます。そのため、毎日の歯磨きなどのセルフケアにおいては、正しいブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどを併用して、歯と歯茎の小さな隙間などの磨き残しの多い箇所の歯垢(プラーク)を除去することが大切です。口腔内を清潔に保つことは、インプラントの寿命を伸ばすことに繋がります。
歯科医院での定期的なメンテナンス
ご自身でおこなう歯磨きなどのセルフケアだけでは、どうしても口腔内の全ての汚れを取り除くことはできません。そのため、大分県の歯科医院での定期的なメンテナンスをおこなうことが重要です。歯科医院でのメンテナンスでは、主にクリーニングや健診をおこないます。周辺の歯や歯茎などの粘膜に、炎症や不具合がないかチェックすると同時に、毎日の正しい歯磨きが出来ているか、歯周ポケットが広がっていないかなどを、目視で確認します。また目視できない顎の骨やインプラント周辺の様子などは、歯科用CTやレントゲンで確認します。さらにご自身で取り除けない歯垢や歯石、さらに細菌の集合体であるバイオフィルムの除去を専門の器具を使用することでキレイに除去します(PMTC)。
噛合せの調整
天然の歯には、歯根膜という噛んだ時にかかる衝撃を、一定の歯にかからないように逃すクッションのような役割をする組織があります。しかし、インプラントには歯根膜がないため、使用しているうちに噛み合わせのバランスが崩れてしまい、インプラントに大きな力がかかってしまう場合があるため、定期的に噛み合せをチェックや調整をすることも大切です。さらに、就寝時などに歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、ナイトガードというマウスピースを装着することで、歯にかかる負担を軽減することができます。
信頼性の高いメーカーを選ぶ
世界的に4大インプラントメーカーといわれる「ストローマン社」、「ノーベルバイオケア社」、「ジンマー社」、「アストラテック社」などのインプラントメーカは、長期のインプラント残存率において高い実績と信頼性があるため、強度だけでなく、表面性状にも優れているので、歯周病になりにくいという特徴があります。そのため、インプラントを長持ちさせるためには、世界的にも品質が良く、実績と信頼性を兼ね備えたインプラントメーカーを選ぶことをお勧めいたします。
さらに、インプラントにはインプラントメーカーが保証を付けており、長い期間では10年保証をつけているメールーもあります。また、近年ではガイドデントというインプラント保証会社が、認定した医療機関を通じて、インプラント治療の10年保証を確約してくれるといったシステムもあります。インプラントが長寿命であるからこそ可能な保証です。
インプラント周囲炎に気を付けましょう
インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病で、インプラント周辺の組織が歯周病に感染した状態のことです。天然の歯に比べてインプラントは、歯根膜がないので炎症に対する抵抗力が低く、一度細菌感染を起こしてしまうと、骨吸収が急速に進行してしまいます。また、インプラント周囲炎の初期段階は自覚症状がほとんどないため、気が付いたときにはかなり進行が進んでおり、重症化している場合も多いことから、毎日のご自身のセルフケアと定期的な大分県の歯科医院でのメンテナンスによる予防が最も重要となります。さらに、インプラント周囲炎は、糖尿病などの全身疾患や、喫煙などの生活習慣とも大きく関係しています。そのため、生活習慣を見直すことで、全身疾患の症状を改善させたり、禁煙することなどもインプラントの寿命を伸ばすことに繋がるため大切です。