口内炎とは、口腔内の粘膜に起こる炎症で、その多くは頬の内側や舌、歯茎などに多く、小さな白い円形のものから赤く腫れて潰瘍を引き起こすものまであります。主に食飲物がしみたり、歯磨きの際にブラシが当たると痛んだり、会話しづらいなどの不快な症状を伴います。
口内炎の種類
・アフタ性口内炎
口内を誤って噛んでしまったときや、粘膜が傷ついたり、疲労やストレスによって起こる口内炎です。また唾液が不足することで、口腔内の摩擦による物理刺激が原因で起きることもあります。症状は、白い円状の腫れができて、周囲が赤く腫れた状態となり、食飲物などがしみて激しい痛みを伴います。基本的には、治療をしなくても1週間〜2週間程度で自然に治ります。しかし、痛みがあると食事を摂りにくくなるため、その場合は我慢せずに医療機関で治療を受けましょう。ステロイド系の外用薬を処方されるため使用することで早期治癒を促します。
・カタル性口内炎
被せ物が合っていなかったり、矯正装置が粘膜に強く当たる、割れてしまった歯があることなどが原因で起こる口内炎です。口腔内の粘膜が赤く腫れ、触ると痛みがあります。この場合、大分県の歯科医院で原因となる部分の治療や調整が必要となります。
・潰瘍性口内炎
虫歯で歯に尖った部分がある、入れ歯が当たるなどで起こる口内炎です。カタル性口内炎と似ていますが、粘膜の表面に深い潰瘍ができ、周囲が赤く腫れて白い膜のようなもので覆われた状態が特徴です。虫歯の治療と、入れ歯の調整をおこなうことで症状が改善します。
・ウイルス性口内炎(ヘルペス性口内炎)
ウイルスや細菌などの感染によって起こる口内炎で、「ヘルペス性口内炎」、「カンジダ性口内炎」などがあります。その多くはヘルペス性口内炎で、日本人は20~30代で約半数、60代以上ではほとんどの人が感染しているといわれています。生後半年から3歳くらいの乳幼児がかかりやすく、一度感染するとウイルスが体内に残り続けるため、疲労や抵抗力の低下で繰り返し再発する場合があります。
ヘルペス性口内炎は、基本的には子供がかかる病気であり、口腔内に白い水ぶくれが多発してしまいます。舌や歯茎などの一部だけでなく、頬の内側や唇の裏側、喉の奥などと、口腔内全体に症状が広がる傾向があり、全身のだるさに加え、38℃以上の高熱がでることが多いのも特徴です。口腔内に水ぶくれが多発して、高熱がでる子供の病気には、「手足口病」や「ヘルパンギーナ」も該当します。これらは、病気によって治療法が異なるため、ヘルペス性口内炎かどうかを見分けることが大切です。さらに、大人がヘルペス性口内炎にかかる例もありますが、多くは軽症で済み、口腔内に水ぶくれができますが高熱などの全身症状はありません。
ヘルペス性口内炎はかなり痛みが強く、症状がでている間は飲食をおこなうことに苦労します。口腔内全体に症状がでるため、食事も難しくなります。痛くて食事が摂れなくても、水分だけは補給するようにしましょう。
・ウイルス性口内炎(カンジダ性口内炎)
口腔内に「カンジダ」というカビが増殖して起こる真菌性口内炎で、唇の裏側、頬の内側、上顎に薄くて白い膜ができます。この膜はこすると剥がれるのが特徴で、剥がした場所は赤く腫れてきます。初期の段階では、あまり自覚症状がありませんが、徐々に飲食時や歯ブラシが当たると痛みを感じるようになります。カンジダは口腔内の常在菌で、疲れやストレス、風邪などで抵抗力が低下しているときに発生しやすいのですが、体力が弱い乳児や、高齢者、血液疾患や糖尿病の方も起こりやすくなります。また、カンジダ菌が喉の奥まで広がってしまうと、呼吸困難を起こす危険性があるため、早急に大分県の歯科医院や皮膚科、口腔外科で治療を受けるようにしましょう。
真菌であるカンジダ菌に抗生物質は効かないため、抗真菌薬で口腔内を洗浄したり、塗り薬を使用する処置をおこないます。
・アレルギー性口内炎
アフタ性口内炎のように、頬の内側、唇、舌などに白色の潰瘍ができて、周囲が赤く腫れ痛みを伴います。原因は、銀歯や入れ歯に使用されている金属や果物や野菜、薬などによるアレルギー反応によるものが考えられます。
金属が原因の場合は、大分県の歯科医院で銀歯や入れ歯に使用している金属を、金属アレルギーが起こらない素材に替えたり、食事や薬の場合はそれらを摂取しないようにすることで、アレルギー性口内炎の発症を防ぐことができます。
治療では、ステロイド剤や抗アレルギー剤を一定期間服用する方法があります。また、金属アレルギーを検査するパッチテストは、歯科医院や皮膚科でおこなっていますし、食物が原因と考えられる場合、大人はアレルギー科や内科、子供は小児科での検査を受けて頂くことをお勧めいたします。
・ニコチン性口内炎
喫煙者に多いニコチン性口内炎は、舌に白い斑点が見られたり、上顎に白っぽいシワができて厚くなり、赤い斑点ができるといった症状が見られます。他の口内炎ほど激しい痛みはありませんが、ピリピリとした刺激を感じることがあります。煙草の煙の熱が、口腔粘膜を刺激するほか、タバコに含まれるニコチンなどによって口腔内を乾燥させてしまうため、唾液の分泌量が減少することで、殺菌作用や粘膜を保護する働きが弱くなるため、細菌が繁殖しやすくなります。喫煙者の口腔がん発生率は、非喫煙者の約7倍ともいわれており、ニコチン性口内炎の最大の予防は禁煙しかありません。