" />
健康寿命と歯の関係

歯・口腔疾患

健康寿命に歯は関係ある?

健康寿命とは

「健康寿命」とは、毎日の生活を心身ともに自立して、健康に過ごせる期間のことをいいます。現在の日本は、長寿国となっていますが、高齢になることで介護が必要になったり、健康上の問題が起きてしまい日常生活に支障がでたりといった「不健康期間」が生じているのも事実です。また、平均寿命と健康寿命には差があり、男性で約9年に対して女性は約13年となっています。この差は日常生活に支障がある「不健康期間」です。これはあくまで平均値ということですが、多くの高齢者は寿命が尽きるまでに、何らかの健康上の問題によって日常生活が制限されてしまった期間を過ごしているのです。

噛めることが健康寿命を延ばす

近年では、歯の健康と全身疾患の関係が明らかになっていますが、歯を失ってしまうことでしっかりと物が噛めなくなることによって、「要介護」の原因疾患を発症してしまうリスクが高くなることがわかっています。しっかりと噛めなくなることで、認知症や脳卒中、心臓病、糖尿病、肥満、転倒などのリスクが高くなりますが、この多くが要介護となる原因になっているのです。

よく噛むことの重要性

よく噛むことの最大のメリットは、唾液の分泌を促すことです。唾液には自浄作用や殺菌作用、消化作用などがあるため、食べカスなどの汚れを洗い流すことで、口腔内の清潔に保つだけでなく、全身の健康にも影響するのです。唾液中には「リゾチーム」、「ラクトペルオキシターゼ」、「IgA」(免疫抗体)などの感染予防物質が存在しており、病気の予防や健康増進の働きをしています。また時間をかけてよく噛んで食事することによって、唾液の分泌量が増えて血液中の血糖値が速く高まるので、満腹中枢が刺激されます。それにより、食べ過ぎの防止にも役立つため、肥満の予防に繋がるのです。他にも、唾液に含まれる「アミラーゼ」という消化酵素が、食べ物に含まれるでんぷんを糖に変えるため、胃腸の負担を軽減したり、分解されてできた糖の甘さが食欲を増進させる効果もあります。さらに、よく噛むことは脳の循環血液量を増加させ、知的発達を促進すため、老化による認知症を予防することにも繋がりますし、噛む刺激が末梢神経を通して脳を刺激することにより、鈍化した脳の働きを目覚めさせる効果が期待されます。

歯周病が引き起こす体への悪影響

人が健康に長生きするために、特に気をつけなければならない病気として癌・心臓病・脳卒中・肺炎・糖尿病が挙げれます。これらの病気を「5大疾患」と呼んでいます。口腔内の病気である歯周病は、歯周病は単に口腔内だけでなく、この5大疾患を発症させたり、症状を悪化させてしまうという、全身の健康を脅かすの病気なのです。

歯周病は歯垢(プラーク)などの細菌によって、歯茎が炎症を起こしてしまう病気です。症状が進行すると、歯茎の奥にある歯を支えている歯槽骨を溶かしはじめます。骨が歯を支えきれなくなってしまうことで、歯が抜け落ちてしまいます。歯周病はこれだけに留まらず、歯周病になると歯茎が炎症を起こし、歯茎から血が出やすくなるのですが、このとき歯茎の毛細血管が傷ついてしまうため、血管内に歯周病菌が侵入してしまい、血液とともに全身に歯周病菌が運ばれてしまいます。気道や血管を介して肺や心臓に入り込んだ歯周病菌が、肺炎や心疾患の原因となったり、歯周病の内毒素によってTNF-α(腫瘍壊死因子)の産生が強力に推し進められてしまうため、TNF-αによって血液中の糖分の取り込みが抑えられ、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうことで糖尿病を発症させてしまったり、症状を悪化させてしまうのです。さらに、細菌に感染しやすくなることで、神経障害や動脈硬化などの全身疾患の原因にもなってしまうのです。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受けましょう

長期的に口腔内の健康を維持するためには、ご自身での正しい歯磨きなどのセルフケアが重要ですが、大分県の歯科医院での定期的なメンテナンスをおこなうことが健康寿命を延ばすためにも大切なのです。虫歯や歯周病にならないためにも、歯垢や歯石の除去が必要となるのですが、ご自身では全ての汚れを取り除くことはできないため、歯科医院でのメンテナンスの際に、同時に歯のクリーニングをおこなうことで、歯垢や歯石をキレイに除去することができます。口腔内を清潔に健康に保つことで、歯を失うリスクも少なくなります。さらに、ご自身の歯を保つことができれば、食べ物もしっかりと噛むこともできるため、要介護となる原因も未然に防ぐことにも繋がります。高齢になっても、口腔内が清潔な環境下で、ご自身の歯で噛むことができれば、健康寿命を長くすることができるのです。

-歯・口腔疾患