インプラント治療は、局所麻酔を用いて歯を失ってしまった箇所の歯茎を切開して、顎の骨にインプラント体を埋入する外科手術を伴う治療法です。そのため、手術による痛みが心配で治療を躊躇している方も少なくありません。しかし、インプラントち治療は、基本的に手術中は麻酔が効いているため、痛みはありませんし、インプラントも1本あたりの手術は15分~30程度で終わるため、手術時間に合わせた麻酔がきちんと処方されていれば痛みの問題はありません。また、手術後の麻酔が切れてしまったあとにも、歯科医院で痛み止めや炎症止めなどを処方してもらえますので、適切に服用することで、治療後の痛みにも対処することが可能です。薬の服用の際に注意する点をご説明いたします。
インプラント治療で処方する薬に注意が必要な方
インプラント治療をおこなう前に、手術や術後に処方する薬に注意が必要な方がいらっしゃいます。以下の症状に該当する方は、治療前に必ず歯科医師に申告するようにしましょう。
心疾患や脳疾患、高血圧などの疾患のある方
心疾患や脳疾患、高血圧の方は、抗凝固薬であるアスピリン、ワーファリンなどを服用している場合があります。このまま手術をおこなうと、血が止まりにくかったり、傷口の治癒が遅くなる場合があるため、状態によっては症状が悪化する危険性がありますので、かかりつけの主治医にインプラント治療についての適否に加え、服用する薬についても問題ないかを確認しましょう。
その他の糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患や、常用している薬などがある方
糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患のある方は、症状や常用している薬によってはインプラント治療をおこなうことができない場合があります。この場合も、かかりつけの主治医にインプラント治療の適否を確認し、常用している薬を中止できるか、また治療後に服用する薬などに問題がないかを確認することが必要です。
アレルギーのある方
処方される薬の成分には、卵や大豆など食品由来のものもあります。そのため、アレルギーのある方は、服用する薬に問題がないか確認することが必要です。また、過去に薬の服用により、かゆみや、発疹、下痢、嘔吐、喘息などのアレルギー症状がでたことがある方も、副作用の少ない薬に変えたり、薬の服用を止めて、こまめに口腔内を消毒するなどの対策をとることがあります。
胃腸の弱い方
胃腸などの消化器官の弱い方は、処方する薬の種類によっては吐き気や腹痛、下痢などの副作用の症状が現れることがあります。この場合は、副作用の少ない薬に変更してもらうか、胃薬や整腸剤を一緒に処方してもらうようにしましょう。もしも、薬の服用ができない場合は、こまめに口腔ないを消毒するなどの対策をとることがあります。
妊娠中、または授乳中の方
現在妊娠中の方、または授乳中の方は、服用した薬が胎盤や母乳を通して胎児や乳児の体に影響がでたりすることがあります。そのため、状態によっては副作用の少ない薬に変えたり、治療の中止を検討することがあります。妊娠されている方は、基本インプラント治療はおこなうことはできないため、治療を希望される方は、出産後におこなうようにしましょう。
インプラント後に処方される薬
鎮痛剤(痛み止め)
手術後に、インプラント体を埋入した部分が一時的に痛むことがあります。鎮痛薬は痛みを抑えるだけでなく、炎症も抑える効果もあるため、歯茎の腫れなどの症状を和らげると共に、解熱作用もあります。ただし、熱や痛みの原因そのものを治療することはできません。
内服薬として鎮痛薬を渡された場合は、炎症を鎮める効果も併せていますので、用法と用量を守り全て飲みきりましょう。もしも頓服薬として鎮痛薬を処方された場合は、痛みのある時だけ飲むようにしましょう。
抗炎症剤(炎症止め)
インプラント体を埋入した部分の歯茎などが炎症を起こしてしまい、腫れや痛みを伴うことがあります。そのため、抗炎症剤を服用することで炎症を抑え、腫れや痛みを和らげることができます。
抗炎症剤は傷口の治りを助ける働きがありますので、医師の指示通りに服用するようにしましょう。
抗生物質(化膿止め)
手術後にインプラント体を埋入した部分に、雑菌が入り化膿することも考えられます。抗生物質は殺菌作用があるため、服用することで感染を防ぐことができます。
抗生物質は、必ず医師の指示通りに服用し、飲みきるようにしましょう。飲んだり止めたりを繰り返してしまうと、薬の効力が悪くなるだけでなく、耐性菌の発生を助長してしまう危険性があります。
まとめ
処方される薬の種類は大分県の歯科医院によって異なります。さらに、薬の服用期間も口腔内の状態や患者さんの症状によって異なるため、もしも薬を服用してから気になる症状がでた場合は、副作用である可能性も考えられます。そのため、ご自身での判断で服用を調整せず、すぐに大分県のかかりつけの歯科医師に連絡して、症状を伝えることが大切です。