インプラント治療の期間の目安
インプラント治療の期間は、手術の方法や患者さんごとの口腔内の状態などによって変わりますが、約2~3か月から、長い場合は1年ほどかかることもあります。もともと顎の骨の厚みが十分あり、インプラント体の埋込に問題がない場合は、チタン製のインプラント体と骨の結合がスムーズに進むため、治療方法によっては2~3か月程度で治療が終わることもあります。しかし骨の厚さなどが不足している場合は、骨再生・骨移植の治療が必要になるため、骨の状態が安定してからインプラント体を埋込するため、6か月~1年程度の期間がかかってしまいます。さらに、手術を1回で済ませる1回法の場合は、2回目の手術がない分、治療期間は短くできます。
インプラントの手術時間はそれほど長くなく、1本のみであれば15分前後、術前の麻酔や清掃や術後の止血などを含めて、1時間程度と短時間で終了します。ただし埋込する本数が多ければ、手術時間も長くなってしまいます。その際、2回法の二次手術の場合は、30分程度で終わることが多いようです。しかし、骨造成手術などを同時におこなう場合や、抜歯を同時におこなう場合、もしくは不安を取り除く静脈内鎮静法などのリラックス作用のある麻酔を用いる場合などは、それに応じて手術時間は長くなってしまうので、2時間以上かかる場合もあります。
インプラントの通院回数の目安は?
インプラント治療に必要な通院回数は、7~10回程度が一般的です。
カウンセリング(1回〜数回)
インプラント治療前には、事前にカウンセリングをおこない、歯科医師が患者さんの悩みや疑問に感じていることに対して丁寧に説明して、最も適した治療計画を患者さんと決めていきます。その際に患者さんの現在の健康状態や、顎の骨や歯茎の状態を検査して、インプラント治療自体が可能かどうかも判断します。さらに歯科用CTやレントゲンを用いた精密診断や、場合によっては手術のシミュレーションなどもおこなうこともあります。カウンセリングは、ほとんどが1回の通院で済みますが、場合によっては数回に渡っておこなうこともあります。
一次手術(通院回数1回)
通常、インプラント治療の手術は、2回に分けておこなわれます。一次手術では歯の根の代わりとなるインプラント体を埋込します。手術では局所麻酔によって歯茎を切開し、顎の骨にインプラント体を埋込します。約1週間~10日前後で傷口の確認をしたうえで抜糸をして、その後インプラント体が骨としっかりと結合するまで3~6か月程度の治癒期間を置きます。1回法の場合は、一次手術でアバットメント一体型のインプラント体を埋入、もしくはアバットメントの装着までをこの段階でおこなうため、人工歯の型取りもこの時点でおこないます。
二次手術(通院回数1回)
インプラント体と顎の骨がしっかりと結合したことが確認されたら、再度歯茎を切開し、埋込したインプラント体にアバットメントを取り付けます。
仮歯の歯形取り(通院回数1回)
歯茎の傷口が落ち着いたら、人工歯の型取りをおこない、最終的な人工歯の被せ物の前に仮歯を装着して一定期間経過を見ます。
仮歯のセットや調整(通院回数1〜2回)
仮歯を装着し、見た目を改善したり、噛み合わせや装着感の確認をおこないながら調整をおこないます。
人工歯の型取り(通院回数1回)
噛み合わせや歯茎の形態に問題がないと判断されると、最終的な人工歯の型をとります。
人工歯の装着と調整(通院回数1〜2回)
人工歯の色や形は患者さんに合わせてオーダーメイドで作製します。完成した人工歯を装着して治療は完了となります。
定期メンテナンス(3ヶ月〜6ヶ月に1度)
インプラント治療は、治療が完了しても終わりではありません。長く快適に使用するためには大分県のかかりつけの歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。患者さんの状態などによりますが、3~6か月に一度の通院回数が目安となります。インプラントの保証についても、定期的なメンテナンスをおこなっていることが条件であることがほとんどなので、メンテナンスは欠かさずおこないましましょう。
治療期間が短くなる治療法
治療期間や手術回数を少なくすることで身体的・経済的負担や、細菌感染のリスクを抑えることができます。そのため、通常よりも短期間でのインプラント治療方法もあります。
抜歯即時埋入法
インプラント治療では、抜歯をおこなってからインプラント体を埋入する場合もあります。通常、抜歯後は骨や歯茎の状態が安定するまでに数か月の期間を要してから、インプラント体を埋込するのですが、「抜歯即時埋入」という方法であれば、抜歯と埋込を一度の手術でおこないます。抜歯即時埋入法によって、手術の回数や治療期間の短縮に繋がるため、患者さんの負担を軽減させることができます。ただし口腔内が健康で、骨の量も十分にあることが必要といった、治療をおこなうための条件が限られるため、誰でも受けられるわけではありません。また、高度な医師の技術が求められる治療になるため、歯科医院選びも重要になります。
即時負荷インプラント
インプラント体を埋入した後は、一時的にブリッジや入れ歯タイプなどの仮歯で補うため、基本的に歯がない状態になることはありません。しかし、顎の骨の状態によっては、インプラント埋入と仮歯の装着を同時におこなう「即時負荷インプラント」という方法をおこなうことができます。即時負荷インプラントは、見た目も含め生活面で支障が出づらく、治療回数や費用も抑えられるなどのメリットも多くありますが、その分、手術時間が長くなってしまい、さらに治療が可能な医師や医院も限られてしまうため、どこでも受けることができるわけではありません。